Fantic Racing MX チームの世界 MX2 戦デビュー。
トム＝グゥイオンの週末は、土曜日に行われた予選レースでの転倒により危ぶまれたが、万全で望めなかったにもかかわらずレース出場を果たし、貴重な 12 ポイントを獲得した。
2023 年 3 月 12 日、ヴィラ・ラ・アンゴストゥーラ
ついに始まった！ 海を渡り、モトクロスサーカスがいよいよシーズン初戦を迎えた。
トム＝グゥイオンを引っ提げて、Fantic Racing MX チームは、パタゴニア、ヴィラ・ラ・アンゴストゥーラの美しいレース・トラックから今シーズンをスタートさせた。ハーコン＝オスタハーゲンは、昨年末に負った怪我のため、現在もピットから出ることが叶わずにいる。2023 年シーズン開幕のビッグニュースはまずは予選からだ。土曜日に行われるレースからすでに選手権戦のポイントが付与される。1 位が 10 ポイント、10 位が 1 ポイントということになる。アルゼンチン GP は、トム＝グゥイオンにとって、Fantic XXF 250 でのデビュー戦でもあり、また Fantic Racing チームの MX2 世界選手権でのデビュー戦でもある。
予選では、11 位という素晴らしいタイムをマークしたこのフランス人ライダーだったが、土曜日の予選レースでは流れが全く違った。スタートを上手くクリアしたトムが次へと攻め込んだ第 2 コーナーで、接触してきたライダーに投げ飛ばされる形で地面に落とされてしまった。Fantic Racing チームのアルゼンチンでの週末に大きな影を落とす出来事だった。それは、チームが 27 番のトムに期待を寄せていた展開とは全く異なるアクシデントだった。実際、彼は肩を地面に強く打ち付け、その場でレースを再開することができなかったのだ。医師の診察を受け、幸いにも骨折等の最悪の事態ではなかったことがわかりレース参加の許可は下りたが、強い衝撃を受けたことによる痛みはそう簡単にひくものではない。それでもトムは歯を食いしばって獅子奮迅の活躍を見せ、スタート位置がすでに自分に有利ではないことを承知の上で、残り 2 つのレースを走ると決意をしたのだ。最初のレースのスタートは素晴らしく、すぐにポジションを取り戻すべく果敢な走りを見せたトムは、その意の通りにポジションを取り戻し始めた。しかし、痛みをこらえながら走ることにより本来のライディング・バランスをとることが叶わず、万全ではないことを察知したグゥイオンは、賢明な判断でレースを「持ち帰る」ことに切り替え、無謀な走りをすることなく 16位でレースを終えた。
第二レースも同様で、スタートで順位を上げたトムはそのまま MX2 のトップライダーたちの背後に迫った。やはり肩の痛みで思うようにプッシュできない中、Fantic の旗手である彼は、14 位でチェッカーフラッグを受けるまで、あきらめることなく追撃を続ける奮闘をみせてくれた。結果的に、歯を食いしばってストイックな攻撃を続けたトム＝グゥイオンが総合 15 位を獲得し、2023 年の MX2 世界選手権での有用な 12 ポイントを手に入れることができたのだ。Fantic Racing MX チームの次の戦いは、3 月 25 日、26 日の週末、サルデーニャ島のリオラ・サルドで行われる、2 つの“イタリアン・ステージ “の最初のステージだ。同時期、女子世界選手権とヨーロッパ 250 選手権も今シーズンのスタートを切る。
トム＝グゥイオン：
「残念ながら、土曜日の予選で接触され、肩を地面に打ちつけて激しい痛みをこらえながらのレースになってしまった。けど、痛みがあったにもかかわらず、自分のベストを尽くしてレースに挑むことができたと思う。その結果、比較的良いポイントを獲得することができた。自分が望んでいた結果ではなかったからチームには申し訳ないけど、今後のコンディション調整次第で、結果を大きく良い方向に持っていけるはずだよ！」
「予選でトムは転倒して肩に大きなダメージを受けたが、幸いにも骨折はなく、医師の承認を得て、2 つのレースに参加することにした。彼は獅子奮迅の活躍で、その個性を十二分に発揮し、自分が置かれたコンディション内でのベストを尽くして、12 ポイントを持ち帰ってくれた。100％ではないにもかかわらず、彼がここまでやれたことを考えると、100％であったらどれだけ素晴らしい結果をもたらしてくれるか。だから、次のレースについては本当に自信を持って臨むことができるし、トップを狙えると思っている。イタリアに戻ったら、打ち付けた肩の状態をより精密に検査して、リオラ・サルドでの“イタリアン・ステージ “に向けて万全の準備をするつもりだよ。」
