Fantic Motorは、経験豊富で技術力に長けた、シモーネ=アルベルゴーニとフランコ=マイヤーがそれぞれ率いる、2つのチームが継続して、2023年のエンデューロシーズンに備える。
サンタ・マリア・ディ・サラ(VE)、2023年2月28日
エンジンをかけ、マシンをセットアップし、クラッチをつなぐ。2023シーズンもFanticはタイトル獲得を目指し、昨年獲得した2つの世界タイトルを固めていく心意気だ。そのためのエンデューロ・レーシングチームとチームカラーをこのほど発表した。
ヴェネトに本拠を置くファンティックは、現在の世界チャンピオンはもちろん、昨年の膝の怪我から復帰したライダーや、幾多のルーキー達とともに、このレースに挑む。チームには、厳しい岩場や根礁を走破してやろうという覚悟のある4人のライダーが加わるのだ。
Fanticは、ジュニアエンデューロカテゴリーに4人、ユースエンデューロカテゴリーに2人のライダーを擁し、現在も若い才能を育てるという哲学を貫いている。
新しいFantic Racing Enduroチームは、彼らのプロジェクトと、実際に店頭で販売されているマシンと瓜二つである、彼らのその競技用のマシンに絶大な信頼を置いている。
Team Fantic Racing Enduro
Fantic Racing Enduroチームは、3年連続でシモーネ・アルベルゴーニが指揮を執る。この元エンデューロチャンピオン率いるチームの勝敗は、ロレンツォ=マコリット、ケビン=クリスティーノ、アルビン=ノルビン、バレンティノ=コルシ、そして新規エントリーのジャンルカ=ファッケッティらの走りにかかっている。
ロレンツォ=マコリットは、2022年シーズンのJ1で、膝十字靭帯の怪我に悩まされ、ほとんどのレースを欠場せざるを得なかった。長いリハビリを経てE3に昇格したフリウリ出身のこのライダーは、Fantic XE 300のステアリングを握ることを深く熱望している。
昨年、アルビン=ノルビンはアルベルゴーニのチームにシーズンの半分だけ参加したが、レースごとに調子を取り戻し、常にトップ5の位置をキープ、後半の4レースで優勝し、世界ランキングで3位となった。2022年のこの活躍を受けて、このスウェーデン人ライダーは、J2クラスの上位レベルで自分の力を確かめたいと考えている。
ジャンルカ=ファケッティは、ファンティックレーシング・エンデューロ・チームのチームカラーをまといJ1に迎えられる。若いライダーではあるが、彼にとっては昨年までレースをしていたカテゴリーでもある。MXタイヤには慣れていて、2017年には125Jrクラスで世界とイタリアの両方のタイトルを獲得している。今年はXEF 250でJ1の岩場や根礁、丸太に挑み、自身のモチベーションを自ら煽るつもりだ。
現在、ユースの次席世界チャンピオンであり、2022年のアッソルーティ・ディ・イタリアの勝者であるケビン=クリスティーノは、その表彰台のトップに、彼のFantic XE 125のタイヤを乗せるべく挑戦を試みている。
バレンティーノ=コルシは、2022年に好成績を収めた後、ユースでFanticレーシングチームのレギュラーライダーとして全レース参加することになっている。
Fantic Racing Enduroチーム
ロレンツォ=マコリット|ITA|E3|XE300|#95
アルビン=ノルビン|SVE|J2|XE300|#97
ジャンルカ=ファッケッティ|ITA|J1|XEF250|#50
ケビン=クリスティーノ|ITA|ユース|XE 125|#34
バレンティーノ=コルシ|ITA|ユース|XE 125|#37
昨年5月29日のイタリアGPでの事故後、ダビデ=ガルネリは新しい役割をもって再デビューすることとなった:彼はFantic Racingチームにコーチとして残り、20年以上の国際レース選手生活で培った経験を、若いライダーに伝えるべく活躍している。また、テストライダーとしてイタリアのメーカーと協力し、Fanticのエンデューロモデルを生産・競技用に開発することも並行して行う予定だ。
「リハビリの数ヶ月は長く、怪我の状態はけっして軽いとは言えなかった。結局、同じレベルの競争力には戻れないと悟ったんだ。僕は、二輪車の開発と、レースで培った経験を、会社とチームのために生かし、再びオフロードの世界でもう一つの道を歩むことになるよ。」
Fantic Racing Enduroのチームマネージャー、シモーネ=アルベルゴニ:
「僕たちは、モチベーションの高い、協力的な良いチームだ。決意を持って、長く、厳しいこのシーズンに立ち向かう準備ができている。ロレンソは膝の大怪我から復帰するが、2021年のように再びその力を発揮できるはずだ。ジャンルカには、僕は成長してくれると賭けているんだ。彼が謙虚な姿勢で成長してくれることを期待しているよ。ケビンには、昨年の不運の後、贖罪の気持ちを大いに持って期待しているし、すでにその速さが申し分ないことは証明されている。アルビンはシーズン半ばから参戦し、レースごとに調子を上げ、ここ4戦は優勝している。そして最後は、若くて努力家のバレンティーノだ。僕は彼のことも、当然信じているよ。ダビデには申し訳ないと思っている。リハビリのための数カ月はけっして簡単ではなかったはずだ。だが、彼が我々とのコラボレーションを続けられることをとても嬉しく思うよ。彼の経験は、Fantic Racing Enduroチームのメンバーにとって、非常に役立つことになるだろう。」
Team JET Fantic Racing Enduro
フランコ=マイヤーは、ファンティックがエンデューロレースに復帰した2020年から続いているパートナーシップを、今後も継続していくつもりでいる。JET Fantic Racingチームは、ハリー=エドモンソン、ジェド=エッチェルス、ジェーン=ダニエルズという、2人の現役世界チャンピオンを擁する全員イギリス人のラインナップで構成されている。
ハリー=エドモンドソンは、2022年の世界選手権をユースクラスで制し、J1へ昇格。このイギリス人ライダーは、もう一人のファンティックライダー、クリスティーノとの最後の攻防を制してタイトルを獲得し、激戦の中で世界チャンピオンとなった。
ジェーン・ダニエルズは女子の世界タイトルの守護神だ。並み居るライバルを寄せ付けることなく、8戦全勝でタイトルを獲得した。
JETファンティックレーシングのラインナップを締めくくるのは、同じくJ1のジェド=エッチェルスだ。昨年は総合3位と5位を獲得しており、新シーズンはさらに上位を目指すつもりだ。
JET Fantic Racing Enduro
ハリー=エドモンドソン|ING|J1|XEF250|#16
ジェド=エッチェルス|ING|J1|XEF250|#47
ジェーン=ダニエルズ|ING|WMN|XEF250|#496
JET Fantic Racing Enduroチームマネージャー、フランコ・マイヤー:
「ハリー、ジェーン、ジェドの3人は、とてもよく働く素晴らしいライダー達なんだ。今年、ハリーは125から250に移ったけど、最初のレースで、彼はまず新しいFanticでのレースに自信を持って臨んでほしいね。一方、ジェドとジェーンは、すでに自信を持っていると思うよ。いずれにせよ、3人とも満足のいく結果を得るに十分なポテンシャルを持っているんだ。」