Fantic Racing チームのライダー2人は、ペナルティによる苦戦を強いられることとなった。
次回行われるアルゼンチン戦(7日間)で、挽回のチャンスを狙う。
2023 年 3 月 26 日、ポルティマオ(ポルトガル)
表彰台の可能性は十分にあった。だが昨年に受けた 2 つのロングラップペナルティの影響で、チェレスティーノ=ヴィエッティは十分なチャンスつかみ取れずに今回のレースに臨まなければならなかった。シーズン初めからハンデをつけられたヴィエッティであったが、彼にあきらめるという選択肢はなかった。3 位でペナルティを受け大幅に順位を下げざるを得なかったヴィエッティは、その後驚異的な追い上げで順位を回復し、最終的には 11 位までたどり着き、2023
年シーズン最初の貴重な 5 ポイントを獲得した。
※ロングラップ・ペナルティ:コースアウトや他の理由でライダーに課せられるペナルティのこと。ライダーは通知をうけてから3周以内に指定のエリアを通過しなければならず、そのラップで数秒(通常は2秒以上)のタイムロスが発生する。
その様子はまるで、チェレの今シーズンへの決意を表しているかのようであり、また次のレース
に向けての明るい兆しとなるパフォーマンスであった。今回のレースに関して言えば、今シーズンの結果を残すための、まずは序章といったところであると言える。
ボルハ=ゴメスは、そのスピードと一貫した走りの安定さ、そして今シーズンにかける決意さえ感じる闘志が、彼の走りにまざまざと現れていたのが印象的だった。彼もジャンプスタートによる 2 度のロングラップペナルティを払わねばならなかったが、このルーキーライダーはすぐ様経験豊富なライダー達をを抜き去る走りを見せ、その攻防はなんと最終ラップまで続いた。ペナルティがなければ、彼もポイントゾーンでフィニッシュし、ポイントを得ていたことだろう。
※ジャンプスタート:スタートシグナルが消える前にマシンが動きだすこと。いわゆるフライング・スタート。
合計 4 つのペナルティを受けた Fantic レーシングであったが、素晴らしい巻き返しと、まさに
ライダー両名が力試しを見せつけたかのようなパフォーマンスを行い、なにが起こっても、 Fantic レーシングは主役の位置を譲ることはないのだという決意を証明してくれた。
チェレスティーノ=ヴィエッティ:
「本当の意味で、良い週末を過ごすことができたと思う。何事にも屈せず先制点をあげることができた。このレースは、ロングランペナルティによるタイムロスを、最小限に抑えることに集中し采配したんだ。もう少し良い順位でゴールしたかったけど、レースを完走すること自体が久しぶりだったから、リスクは最小限に抑えて結果を出すことが重要だった。今回の結果を足場にして、アルゼンチン戦に全力で臨むよ!」
ボルハ=ゴメス:
「ポルティマオを後にするのは嬉しくもあり、少し残念でもある。厳しいレースだったからね。ジャンプスタートをしてしまって、2 回のロングラップペナルティを課された。最後尾でコースに復帰しなければならなくて、それから挽回するためだけに意識を集中させたよ。ここのコースは非常に体力を必要とするコースだったから簡単とは言えなかった。レース中ずっと一定のペースを保つようにして体力を温存し、徐々に順位を上げていったんだ。そして、前にいた小さなグループのライダーたちに追いついて、ポイントゾーンに近い17 位でゴールすることができた。チームの仕事には本当に満足しているし、バイクのフィーリングもかなり良くなってきている。こんな機会を与えてくれた Fantic Racing チームのみんなに、心から感謝しているよ!」
ステファノ=ベドン(チームマネージャー):
「チームもライダー自身もスロットル全開のパフォーマンスで、素晴らしい決意と結果をもたらしてくれた。トップライダーであるチェレスティーノと、スタートでミスをしたにもかかわらず、その闘志と卓越した技術を発揮してくれたボルハのおかげで、我々は決して脇役などでは終わらない、間違いなく今シーズンの主役になれると確信しているよ」。